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ホワイトブレスのレビュー

-過剰宣伝が仇に? シナリオとのギャップ-

茜坂学園(あかねざかがくえん)に通う2年生、相模 司。
サッカー部のフォワードでもある。
クラスメートでケンカ友達の「未緒」、サッカー部のマネージャーで後輩の「ののか」、仲良しグループの「美乃」、そして悪友の「刹那」。
学園にはかけがえのない友人と後輩がいて、家には従姉の「凪沙」。
みんなに囲まれた楽しい生活。
いつまでもこの生活が続けばいいと思いかけた頃、事件が起きる。
主人公が幼少の頃にわずらった病気が再発。
このままでは、卒業まで命が持たないかもしれないとの診断を受ける。
しかし、自分を大切な友人たちを放りだして、この生活を終わらせるわけにはいかない。せめて、ヒロイン達の問題が解決出来るまではと、病気のことを隠し続ける。
そしてヒロインとの想いを紡ぐとき、無常にもタイムリミットがやってくる。(OHPから抜粋)

プレイする前に公式の紹介文を読んだ段階ではかなりまともだなと思ったんですけど、みなさんはどう感じるでしょう? 『With You ~みつめていたい~』の橋本タカシ&草薙こうたろうコンビでこのシナリオならば、古き良き時代のエロゲーを連想される方々も多いのではないかと思います。……いえ、むしろその方向ではとてつもなく「らしい」ものに仕上がっているんですよ、これが。FC02の呪縛のようなものも感じられはするものの、大健闘であることには変わりない出来でした。

何気ない日常というもののすばらしさ。セピア調のCGからは冬という季節のせつなさと、淡く過ぎゆく日々のなごり。まさに、「大切なものはいつもそこにあるんだよ」と訴えかけてくる、独特だけど胸にストンと落ちてくるシナリオ。なるほど、「みんなに囲まれた楽しい生活」という売り文句について言えば、このコンビが魅せてくれると期待していた値に充分達していたと思います。喫茶店だとか夕暮れ時とかいうロケーションをうまく生かしきるという意味では、このコンビは「センチメンタルとノスタルジックの魔術師」と言っても過言ではないかもしれません(大改造劇的ビフォーアフター風)。

ただし、OHPの公式紹介文の後半は「嘘」だ。これは間違いない。命のタイムリミットが近づきつつも、ヒロインのために身を削って頑張ろうとする主人公。そして、想いが通じ合った時、主人公は深い眠りに落ちることになる……。もしもこのシナリオを充分に生かしきれていたら、このゲームは確実に良作の頂点の域に達する出来栄えになっていたのではないかと思うわけです。

つまり、ダメ。いやもう、きっぱりとダメ。主人公が病気のことで苦しむ描写が少なすぎる。これじゃあもう、不慮の事故で突然に意識不明の重態に陥るようなもの。この物語はそれではいけないんです。ヒロインの抱える問題を真っ直ぐと受け止めつつも、自分の体を蝕んでいく病魔と戦いながら、なんとか日常のなかに溶け込んでいこうとする主人公の苦悩。その苦悩とヒロインの想いや問題がうまくシンクロした時、物語は爆発的な感動を呼ぶ。それが、この物語が目指していた場所なのではないのか?

日常を侵食していく病魔の「ジワジワ」感。この「ジワジワ」こそが、病魔というものを字の如き「病の悪魔」に仕立て上げるわけです。この悪魔は圧倒的で、しかも容赦なく主人公とヒロインを引き裂いてしまう。「なんで!? どうしてよ!?」という、どうすることもできない、行き場すらない悲壮なヒロインの感情が、この物語には相応しいと思うわけで。せっかくの設定を生かしきれていない感がありました。

つまり、描写不足。しかも、決定的な部分の描写不足なのでした。


-なんで日常パートがないの?-

日常パートがないっていうのは、陵辱系のゲームにはよくあることだと思います。でも、これって純愛ゲームなんですよね。「なんで?」って感じです。本作は、一日の始まりに行動選択パートがあって、そこで朝、昼、夕の行動を決定するシステムなわけなのですが、ここでゲーム性のおかしさが露呈しているなーと。

つまり、目当てのヒロイン(ここでは未緒としておきましょう)と夕方にしか出会えないとします。当然、未緒をクリアしたいわけですから、未緒を選択して、行動選択パートを終了。すると一日が始まるというわけですが……。日常パートがいきなり夕方から始まったりするんですよね。その日の学園生活だとか、そういうものは一切なし。結果、プレイ時間が初回でも三時間。二回目以降は一時間半から二時間くらいで終わってしまうという現象に陥るわけで。

上で前述しましたが、こんなプレイ時間では設定が生かしきれるわけがありません。なにより、日常を大切にしている主人公だからこそ、一日というものをもっと丁寧に書いていかなければならないのではないか? と思うわけで。それでも日常というものを描くことに成功しているという意味では、草薙氏の実力を見せつけられた感もありましたが、どうせならすべてを書ききった結果の実力を見せてほしかった。

もしかしたら、このゲーム、目当てのヒロインだけを集中攻撃するのではなく、なにがなんでも一日の予定を詰め込んでプレイすると、うまく機能するのかもしれません。でも、それをやっちゃうと、二回目以降のプレイでシナリオがどうしてもダブル。っていうか、ダブリまくる。それはまずいんじゃないかーと思うのですがどうでしょう?

つまり、行動選択はあってもいいから、それを補う日常がほしかったというわけ。というよりも、行動選択という機能のおかげで、これもまた設定がうまく生かしきれていなかった感がありました。


システム A サウンド A グラフィック S シナリオ C OPMOVIE S 総評 B

では、システムからいきます。可もなく不可もなく。ただ、バックログの保管数が少ないことと、マウスホイールが使えないというのが痛い。あと、タイトル画面に戻る方法がいまいち分かりにくいっていうのも変だなと思いました。ただ、CG鑑賞画面と音楽鑑賞画面が合体しているので、好きなCGをそれにぴったりなBGMと一緒に鑑賞できるという技がよかったです。これがかなり好印象だったので評価はAということで。あと、セリフと立ち絵の口の動きがちゃんと合っていたり、外では白い吐息が見えたりと、細かなところも秀逸。

サウンドもA評価。理由は、システムで書いたのと同じように、本編だけで活用するのではなく、鑑賞でも役立ったからです。CGが美麗で落ちついた雰囲気のものが多かったので、これだけでかなり楽しめました。OP曲、シナリオ中のBGM、ともにかなりの出来でした。個人的には、やっぱりOPの『遠い背中』がよかったです。

グラフィックに関しては、もうなにも責めることはありません。ゲームの雰囲気にぴったりの、懐かしい雰囲気漂う最高の出来でした。

シナリオは前述の通り。雰囲気と内容を50と50割るとなると、雰囲気のほうは間違いなくパーフェクトだったんですけどね。それだけに、やはりおしい。……たとえC評価だとしても、なぜかおもしろかったと思えてしまうところが、もしかしたら橋本タカシ&草薙こうたろうコンビの実力なのかもしれません。いつか、このコンビの全力投球と見たいものです。

OPMOVIEという項目があるのは、このムービーを見ていると、プレイ中の記憶がまざまざと蘇ってくるから。そういう意味で、とてつもなくゲーム性をよく捉えたムービー。何度も見返したくなるんですよ。むしろ、このOPの通りにシナリオが進んでいたら、まず間違いなく良作になっていたはず。

では、総評を。

おしい。それに尽きた作品でした。もうプレイしたくないのではなく、なにかしら期待を持たせてくれる「おしい」だったと思います。アフターストーリーがあったら絶対にプレイしたくなるみたいな。そういう余韻のあるゲームでした。
実力不足なのではない。努力不足なのだ。
そういうセリフが頭のなかに浮かびます。この二人のコンビが再び復活する時が来れば、僕は必ずまたプレイするでしょう。そう思えるという意味では、とてもおもしろかったと言える作品でした。

っていうか、個人的にツボ。プレイ中、残ったヒロインが未緒だけになった時、「彼女をクリアしたらゲームが終わってしまうではないか」と、なんだか寂しい気持ちになれたゲームでした。歩サイコー、これ、必然。

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テーマ:美少女ゲーム│ジャンル:ゲーム
レビュー | コメント(1) | トラックバック(0)2006/04/18(火)17:36

コメント

>日常を侵食していく病魔の「ジワジワ」感。
>この「ジワジワ」こそが、
>病魔というものを字の如き
>「病の悪魔」に仕立て上げるわけです。

っていうけど、
いざ余命告知されてみるとそうでもない。
泣くのも喚くのも最初の数日間。
その後は意外と静かな気持ちになれるもんだよ。

一番荒れたのはアレだね。
「ゴメン。やっぱ死なないわw」
って言われたときかな。
そんな重大な誤診してんじゃねえ。

2008/08/09(土)01:17| URL | いや、ねえ。 #zqPWYEbY [ 編集]

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Author:REN-KANESHIRO
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